中間査察

御所長様が中間査察に来られるということで、開発途上にある２０ミリ砲の信頼性がはなはだ低いが、とにかく搭載して飛行機の形にしておかないと、怖いことになるので、そのへんにある部材をかき集めたり、他の機体から部品をはがしたりして、平所員は急遽機体をでっちあげる。電装系は後回しだ。中間視察だから、とにかく飛行機らしきものに２０ミリ砲が載ってさえいればよいのだ。おっと所長様をお出迎えせねば。

　所長　　「ほう　開戦までに開発は間に合いますかニャ？」
平所員 　「はっ　間に合うときは間に合いますし、間に合わないときは間に合わないであります」
　
　所長　　「ふむん　ところでこの飛行機ちゃんと飛びますかニャ？」
平所員 「はっ　飛ぶときは飛びますし、飛ばないときは飛ばないであります」

　所長　　「では飛んで墜落しても壊れませんかニャ？」
平所員　 「はっ、非常に激しく墜落させても、何かにぶつかるまでは壊れないであります」
　所長　　「それは素晴らしい！ニャ」
平所員　 「ありがたきお言葉、かならずや、なるようになりますのでご安心を」　　　　　

と言う会話がなされたとか、なされなかったとか。