トラタヌ猫賊2 滑空重視
2005年 08月 19日
理論うんぬんより経験で作ってますから。できれば翼型の違うのを数種類作っておいてテストできればいいのでしょうけど。なんでも奥が深いってのはおもしろいニャー。
「トラタヌ猫賊」は下面も凹にカーブした翼型を使っているので、ここで示されている修正は、「翼厚」の変更というよりは、「最大矢高」の量とその位置の変更と言うべきでしょう。翼型の中心線の「反り具合」を「矢高」と言います。一般に「矢高」が大きくなると、揚力が増加しますが同時に抗力も増加します。どのくらいの「矢高」がベストかはケース・バイ・ケースですが、石川氏は「トラタヌ猫賊」のサイズと飛行速度では、「矢高」は小さい方が効率(揚力と抗力のバランス)が良いと読んだのでしょう。
「最大矢高」の位置を40%に下げたのは、フラップ付きの主翼のような効果を狙ったのでしょう。主翼の後縁を下げると揚力を増加させることができます。これも、揚力と抗力が同時に増加するので、ケース・バイ・ケースです。
示された翼型は、失速にかなり近い状態、ピッチング寸前で、最良の滑空を示しますが、飛行機というものは、その状態では「操縦性(姿勢を機敏に変えて目的の場所に移動する)」は悪くなるものです。「操縦は難しくなる」は、そのように解釈するべきでしょう。
石川氏の示した翼型(の考え方)は、低速で飛行するFF機で大方最良とされているものです。提案は、「FFで最良とされているものを、トラタヌ猫賊で試してみてはいかがでしょうか。ただし、滑空が最良の飛行姿勢では操縦性が悪くなり、操縦性が良好の飛行姿勢では、この翼型の真価が発揮されないという矛盾はありますが・・・。」ということでしょう。